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Arcadiaさんに、別HNで投稿していました。
(みなさん、感想及びアドバイスをありがとうございました!)
この2次SSは、他の2次SS同様、文章がダメで、自分の妄想を混ぜたおかしいモノとなっています。(汗)
また、物語や人物の背景の描写が、ほとんどありません。
ですので、『ひぐらしのなく頃に』を知らない方は、
『ひぐらしのなく頃にwiki』さんにある各項目を先に読んでいただけると幸いです。
http://www.wikihouse.com/higurasi/index.php?%A4%D2%A4%B0%A4%E9%A4%B7%A4%CE%A4%CA%A4%AF%BA%A2%A4%CBwiki
神殺し編 (ひぐらしのなく頃に)
男の視線が、大きなテレビの画面に釘付けになっていた。
テレビには、10代の少年少女たちの姿が映し出されており、その内の1人の少女が、複雑な表情をしながら他の少年少女たちに話しかける。
「みんな、もう2度と戻れないかもしれない……それでも、行くの?」
「そこに梨花ちゃんと羽入が言う”真の黒幕”がいるんだろ? なら、いくっきゃないだろ!」
少女の問いかけに、少年が皆を代表するがごとく勢いよく答えた。
そして、それに合わせるように他の少女たちも、行こうと口々に叫ぶ。
「うっはっはっはっはっはっ!」
男は、そのやりとりがよっぽどおかしかったのか、ひざを叩きながら、笑い声を上げた。
〜 翌日 〜
1人の少年、前原圭一が、薄暗い通路を駆けていく。
「ハアハアハア……」
長い時間足を止めずに走っており、また、重量がある物を抱えているため息が切れる寸前だった。
だが、休むことなく走り続ける。
そして、友人たちの名を小さくつぶやく。
「レナ、魅音、沙都子ちゃん、梨花ちゃん……」
みんなの無念を晴らすためにも、必ず! そう思い、疲れた体に克を入れる圭一。
「ん? ここは……」
圭一はあたりを見渡す。
広い部屋だった。
ただ、走ってきた通路同様薄暗いので、どれくらい広いかは分からない。
「ここに、”真の黒幕”がいるのか?」
額の汗を拭いながら身構える圭一。
そして、それに応じるがごとく闇から声が響く。
「やっと来ましたね。 おめでとう。 ここまできたのは、アナタが初めてです」
太く、低い声。
満面の笑みを浮かべた一人の男が、圭一の前に姿を現した。
「……!?」
圭一は、自分の目の前に現れた男の姿に、声を出すことが出来なかった。
「しかし、前原さん、面白い物を持っていますなあ」
男は、圭一が持っている物……チェンソーを見て笑った。
そのチェンソーは、圭一たちが通う学校、雛見沢分校に併設されている営林署の備品であり、それを見つけた圭一が勝手に持ち出してきたのだ。
「……そいつで今度は何をやらかすつもりなんですか?」
おどけた調子で質問してくる男。
だが、圭一は衝撃のため、そんなことなど耳に入らない。
「お、大石さん!?」
「そう、大石でぇーーす! うっはっはっはっはっはっ!」
大石と答えた男は、大笑いしながらそう答えた。
「な、なんで大石さんがここに!?」
圭一は、予想外の人物の登場に驚きながら叫んだ。
「そりゃ、私があなたたちの言う真の黒幕だからに決まってんでしょう! うっはっはっはっはっはっ!」
大石の笑い声は、さらに増した。
その様子を呆然と見ている圭一。
大石は、笑いながら持っていたリモコンのボタンを押す。
すると、暗闇の中に光が灯り、なにやら音が聞こえてくる。
それは大きめのテレビだった。
テレビには、戦国時代の争いの様子が映し出されている。
それに目を少し向けてから、圭一は大石に真意を問いただす。
「あ、あんたの目的はなんなんだ!?」
「今の時代と変わらないくらい昔も、ニンゲンたちは、愚かな争いを繰り返していました。 私は、その争いを見るのが大好きでした。」
その時、テレビから罵声や悲鳴が流れ出す。
初め何かの映画だと思っていた圭一は驚く。
罵声や悲鳴がとても演技とは思えず、また、流れる血がまるで本物のようだったからである。
「ところで、前原さん、”桃太郎”を知ってますよね。 あれって実話なんですよ」
「……へ?」
突然、全く関係ない話題に変わり、圭一は拍子抜けの声を出した。
「ほんの少し前……といっても、寿命が短いニンゲンにとってはえらい昔ですが……私は、鬼を地獄から呼び出し、人間たちへ襲うよう命令しました」
「な、なんだって!? なんで、そんなことを!」
すると、テレビの画面に、まるでマンガやアニメに出てくるような鬼たちが映し出されていく。
「ニンゲンたちの争いだけでは、単調で飽きてしまったんですよ。 そこで、鬼という要素を加えたのです」
どこからともなく現れた鬼たちに殺されていく人々。
その様子を、楽しそうに見る大石。
「鬼たちは、ニンゲンたちの世界をさらに乱し、面白くしてくれました。 だが、それも束の間のこと……彼らにも退屈してきました。 また、鬼たちに比べ、ニンゲンたちは弱すぎたのです。 またたくまに、ニンゲンタチは鬼たちに殺され減っていきました。
私を楽しませてくれるニンゲンたちが全滅してしまったら、一大事ですよね。 だから、鬼たちを処分してまわりました。 鬼たちを駆逐する特別な犬、猿、雉を連れてね」
なんてデカイんだ……圭一は新たにテレビに映ったモノを見てそう思った。
画面に現れたのは、どれも全長が10m以上はあろうかという犬、猿、雉だったのだ。
鬼たちは、その怪物たちに食われていく。
その様子を、懐かしそうに見る大石。
「そうしていくうちに、鬼たちが生き残っている地域は狭まり、ある日ついに鬼に脅かされているのは、とある集落一つだけとなりました。
いつものように、犬、猿、雉をけしかけようとしたんですが……その時、私の頭ビビッとくるものがありました。 鬼の凶暴さをニンゲンたちに加えたらどうだろうと……そう思いついた私は、鬼たちをニンゲンの姿に変え、共存するよう命じたのです」
神々しい光を放つ人物が、空から舞い降り鬼たちをニンゲンの姿に変えていく。
それを見た圭一は、以前聞いたことがある雛見沢村の伝承を想いだし、思わず声に出す。
「そ、それって……まさか!?」
「そう、その集落こそ雛見沢村。 まあ、さしずめ私が、真のオヤシロさまということになりますかな」
笑いながらVサインをする大石。
「そして、その集落のニンゲンたちと鬼たちの交配は進み、半人半鬼となった子孫たち、そしてそれに関わる者たちは、私の期待した以上に愉快な存在になってくれました」
「ゆ、愉快な存在?」
「例えば、こんなのです」
そう言うと、大石は、リモコンでチャンネルを変えた。
それを見た圭一は、目を見開く。
「普通のニンゲン以上に疑心暗鬼にとらわれやすく、破壊的衝動が強い雛見沢の住人たちの間で起こる悲劇は、火スペなんて目じゃありませんでしたからね〜」
テレビに映ったモノ、それは━━
両親を崖から叩き落した沙都子。
壁に包丁を付き立て、自害する梨花。
ゴミ置き場に女性を呼び出し殺害するレナ。
老人を鎖で絞め殺してしまう魅音(詩音)。
そして……レナと魅音をバットで撲殺する自分。
変わる変わる映像に、圭一は絶叫を上げる。
「うっはっはっはっはっはっ! 安心してください。 今のはどれも全て平行世界で起こった出来事です。 ところで、前原さん。 私をここまで楽しませてくれたニンゲンたちの代表をアナタにしたいと思う! そして、君にお礼がしたい!
どんな望みでも、かなえてあげましょう」
テレビを消し、それまで以上の笑顔で圭一に話しかける大石。
それに、怒りを込めて圭一は応える。
「……お前のために……ここまで来たんじゃねえ! よくも俺たちを、みんなをオモチャにしてくれたな!」
圭一の剣幕に、やれやれと大石は首を振る。
「それが、どうかしましたか? 全ては、私が創ったモノなのです」
「俺たちは、モノじゃない! ふざけやがって……ッ! この落とし前は、つけさせてもらうぜッ!!」
「……神にケンカを売るとは……前原さん、アナタって方は、どこまでもCOOL、いや、KOOLなヒトなんだ!」
圭一は、持っていたチェンソーを起動させた。
それを見た大石は、ため息をつきながらつぶやく。
「……どうしても、やるつもりのようですね。 これも、ニンゲンの性か……よろしい。 死ぬ前に、神の力、とくと目に焼き付けておけッ!!」
大石の体が膨張していく。
そして、大石だったものは、まるで悪魔のような姿になった。
「うっはっはっはっはっはっ! ラスボスみたいでしょう? さて、まずはお前の武器を消し去り、丸腰のニンゲン狩りを楽しませていただきますか!」
笑う大石の右手から、黒い光が放たれた。
そして、それは圭一の持っていたチェンソーのみに直撃し包み込んでいく。
「その黒い光に包まれたモノは、消滅してしまうのだよ! うっはっはっはっはっはっ……バ、バカな!?」
大笑いしていた大石は、目の前の光景に驚愕した。
なぜなら、輝いていたのだ。
消滅させたと思い込んでいたチェンソーが。
「コレには……みんなの想いが詰まってんだ! テメエなんぞに、消されてたまるものかよッ!!」
圭一は、一気に間合いをつめ、光り輝くチェンソーを振り回す。
絶叫を上げ、切り裂かれていく大石。
大石、いや、神<真・オヤシロさま>はバラバラになった。
「殺った……」
全ての力を使い果たし、崩れるようにその場に倒れる圭一。
すると、暖かい光が圭一を包み込む。
「よく殺りましたわ。 圭一さん」
偉そうに腕を組む沙都子。
「これからどうするのです? 圭一」
圭一の頭をなでる梨花。
「圭一くん、この向こうに、別の世界があるのかな? かな?」
圭一に抱きつくレナ。
「圭ちゃん、どこでもいいじゃん。 みんなが一緒なら!」
元気よく腕を上げる魅音。
「……いこう!」
みんなに応えるように、一際光り輝く方向を指差す圭一。
「「「「どこに?」」」」
俺たちの世界<雛見沢村>へ!!
うっはっはっはっはっはっ!!!w
「やっと来ましたね。
おめで(以下略)」
・・・ゲームは、終わらない・・・
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