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うっはっはっはっはっ!!w 〜疫病神の視点から〜 

(コミック版・刑務所の中)


9/12 @大内ガイ吉(仮)






私は、疫病神。
人間どもに災厄を振りまくのが、私の務めである。

年末も近いというのに、暖かい日のことだった。
その日、私は何もすることがなく、暇だったので、○X県の上空を低く飛んでいた。
(……暇だな。……ん?)




      うっはっはっはっはっはっ!!


どこからかやってくる、特徴的な笑い声が私の耳に入る。
(……下か。)
どうやら、飛んでいる私の真下に広がっている刑務所のグランドからのようだ。
疫病神である私は、まず普通の人間に姿を見られることはない。
そのため、暇だった私は、誰にも気にすることなく、グランドに降りていく。

(……あの笑い声を上げている男の名が、大内ガイ吉(仮)……
     隣に座っている男の名は、山本トン馬(仮)か……
       暇だし、”観察”していくとしよう。)
あの笑い声の持ち主は、ムショの中とシャバとの境界線上に築かれた高い壁に、
同じムショ仲間の男といっしょに寄りかかり座っていた。
暇な私は、その二人の素性、過去をのぞき、彼らを”観察”することを決める。



「大内さんよう、シャバで何やらかしたんだい?」
「うっはっはっはっはっはっ…… 貸した金とりに行ったら、まさかり振り回したから、討ちとったんだ。
    人一人殺して、七年なら安いもんだ! うっはっはっはっはっはっ!!」
大内ガイ吉(仮)から金を借りた男は、居留守を使いやり過ごそうとした。
だが、大内ガイ吉(仮)に居留守ということを見破れ、車で玄関に突入されてしまう。
驚いた男は、まさかりを手に握り締め、大内ガイ吉(仮)に襲いかかった。
しかし、大内ガイ吉(仮)が護身用のために暴力団から購入した拳銃で、あっけなく返り討ちにされてしまったのだ。

「たまには、殺した奴の冥福を祈ったりするのかい?」
「そおゆうことは、全然しねえなあ……うっはっはっはっはっ!!」
大内ガイ吉(仮)は、人間を撃ち殺したことを悔やむどころか、同じムショ仲間に自慢するような人間である。
また、今でも100%正当防衛だと思っているため、冥福を祈るはずがない。

「えらい! 自己確立してるよ! そういうダイオキシン人間は、どんどん殺した方が世のため人のためだね!
  ……あ、そうそう。 そんな時は、ブロック三つしょわせて、海にほうりこんじゃえば後が楽でいいよ。
    それと、どうしても返す金がない場合、傷害保険かけて腕でもおとさせて、保険金がおりたらとればいいんだよ。」
「ほお〜、そんなことまでするように見えねえがな…… そうだな、今度はその手でいくとするか。
   ところで…… そのダイオキシン人間って表現、しびれるねぇ〜。
     こりゃ、今度の流行語大賞いただきだな! うっはっはっはっはっ!!」
私は、大内ガイ吉(仮)の未来を少しだけのぞいて見る。
数年後、出所した大内ガイ吉(仮)は、闇金融業者に復帰するようだ。
そして、山本トン馬(仮)に教えてもらった方法を実行し、再び逮捕されるまで、実に20人以上の人間を闇に葬り去っていく。
また、犠牲者にトドメを刺す際の決め台詞は、




    死ね! このっ、ダイオキシン人間がっ! 

    うっはっはっはっはっはっ!!w


のようだ……


……ふむふむ、では引き続き、隣の奴も”観察”するとしよう……



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